2019/10/27 投稿

がん告知の診察室で聞いておきたいこと

診察室に入るまではドキドキですね。
この前は「がんの疑い」といわれたけど、ゴーゴーうるさいMRIもしたし、細胞診や諸々の精密検査をしたから「疑っていたけど、がんじゃなかった!」と言ってくれる、そうあってほしいと期待します。
奇跡が起こってほしい、とは誰もが思うこと。

「○○番の方、どうぞ、2番診察室にお入りください。」と、いよいよ主治医とお話をする段になりますが、主治医は愛想よく、先日の検査結果が出ましたから説明しますね。
と、画像や病理検査の結果を淡々と解説してくれます。
奇跡「がんじゃなかったです、よかったですね」が実際に起こればよいのですが、・・・。

起こらなかった場合、超ショックです。
やはりダメか、がんだったんだ、人生終わるかもしれない、仕事どうしようか・・・・と、もう主治医の話は耳に入らなくなります。

主治医は、画像をみながら腫瘍の大きさや転移が疑われるものがあるかどうか、血液検査での腫瘍マーカー値がどうなっているか、他の疾患の可能性はどうしてないのか、など一通り説明してくれます。
その後、手術や放射線、さらには抗がん剤を使うか使わないかなどの治療方針を提案してくれます。

おそらく5分くらいで大変重要な情報を話してくれているのですが、何しろアタマで整理している余裕などないので、何かご質問とかありますか?と聞かれても、何を聞いたらよいのか「そうだ治るのか?」を聞いておこう、と。
ところが、手術をすれば50%、さらに抗がん剤を使うと70%になると統計データを示されます。
しかし、数字を聞いても判断のしようがないです。
手術の日程は、来週また担当医から説明しますので診察の予約を入れますが、この日は大丈夫ですか、という流れになるでしょう。

次の対処を考える間もなく、何を希望すればよいのか主治医に伝えることもなく、これで終わって診察室を出てしまうと、次の診察日までただ不安な日々を過ごすことになります。

 

診察室に入るときは、がんだった場合も想定して奇跡は期待しないようにしましょう。
ショックは受けても、主治医の話は聞きのがさないようにメモを取ると決めて部屋にはいるか、誰かに付き添ってもらいメモを取ってもらいましょう。

できれば、セカンドオピニオンを聞きたいので、今日の説明資料をもらえないか、お願いしてみましょう。
診療情報提供書として資料をまとめてくれるはずです。
この際、どの病院宛に書きますか、と聞かれますが、「時間がもったいないので、これから同時並行で探します。
特定病院の宛名なしでもお願いできないでしょうか」と再度お願いしましょう。

それでも「宛名なしではダメ」とか渋られたら、「血液検査や画像所見のコピーをもらえませんか?」とお願いしましょう。
コピーだけならばいいかなと、難なく渡してくれると思います。

このような交渉は、主治医が嫌な顔するのではないか、これからの信頼関係にヒビが入るのではとか心配されるかもしれませんが、無用な心配です。
とにかくこのデータを持つことで診察室を出た後が、全然、違う世界になるのです。

このデータなしに診察室(または病院)を出てしまうと、できることは「心配」することが中心になります。
家族や友人に「どうだったの?」と聞かれて「やっぱり、がんだった」としか言えません。
ご本人はもちろんですが、周りの方も次のサポートをどうしてよいのか、判断の材料がなく途方に暮れるだけです。

このデータがあることでご家族や第3者にも、病状を正確に伝えることができ、今後の対処について意見を聞く(セカンドオピニオン)ことができます、その時は、自分でも少しは余裕をもって一緒に考えることができるでしょう。

 

がんの種類、進行度、部位、大きさなど情報があれば、より具体的な提案も専門家や身近ながん体験者から色々と出てくるものです。
そのような情報を知ってはじめて、こうしてほしい、これは嫌だ、という自分で考えて納得できる治療を受け入れることになるでしょう。

 

「えっ、何も情報をもらわないで病院を出てしまった、手元に何もない!」場合でも、あわてる必要はありません。
今からできること、判断を間違わないにように、次の診察の際に、主治医に「診療情報が欲しい、説明の内容は難しい聞き慣れない単語ばかりなのでメモがほしい」とお願いしましょう。
自分でデータを管理することは、がん治療では特に大切です。

 

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