2019/08/12 投稿

先進医療で治療したい。生命保険の先進医療特約という狭き門

先進医療で治療したい。
生命保険の特約にも入っている。
どうしたらよいか教えてほしい?と聞かれます。

先進医療と先端医療と似ていますが、前者は医療制度の話です。
後者は標準治療(健康保険での治療)に未だ採用されていない治療全体の話で、先進医療を含みます。
患者さんは、最先端の治療技術であれば進行してしまい完治が難しいがんであっても何とか救ってもらえるのではないか?
と期待をもって尋ねて来れられます。

そこで先進医療特約の値段を今一度お尋ねすると、毎月100円程度・・・。
上限2000万円までとか記載があるので、粒子線治療や免疫療法、遺伝子治療などメディアから聞こえてくる治療を、保険に入っているから費用は気にせず安心して受けられると思っていた、とのことです。

毎月100円の保険料でこれらの治療を保障していると保険会社は潰れてしまいます。
いったいどうなっているのでしょうか?

先進医療特約という生命保険は、厚労省の先進医療制度に該当したものが適用になる、という分かりにくいハードルがあるのです。
公的な健康保険制度では、標準治療以外の自由診療を同じ保険医療機関で同時に行うことを禁止しています。
この制度の下では、健康保険で認められていない治療をした場合には、患者さんは全部自費として請求されてしまうのです。

医療保険の公平性を守るための措置ですが、新技術の導入が遅れてしまう硬直性にもなっています。
そこで、折衷案として厚労省に、将来ちゃんと臨床データ提出し効果があったかなかったかを整理し、効果があれば健康保険に加えてほしい、と申請・承認されたものは、健康保険の診療と一緒にやっても自費の分だけ別にしても良い、という制度なのです。

臨床データをとるためには、患者さんを選ばなくてはいけません。
がんの種類、ステージ、これまでの治療歴など条件をそろえて当てはまる者だけが対象となります。
この制約があるために「狭き門」なのです。
保険会社も100円の保険料で済むわけです。

この状況をなんとか門を広くできないか?自由診療も選択できる保険はないか、という要望が強くなっています。
少しずつがん保険の商品も改良されてきていますので注目しています。

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