2021/06/12 投稿

抗がん剤の種類と語尾の特徴

ご相談の際、抗がん剤治療をやっています、
というお話はききますが、
では、どんな名前の薬ですか?
とお聞きすると、
「難しくて覚えていません、カタカナとかローマ字で、なんとかって言ってたな~」
という回答が多いです。

抗がん剤には大きく分けて4種類ありますが、種類によって、語尾に特徴があります。

一つ目は増殖する細胞を標的にする薬=殺細胞剤の語尾の特徴は、
〇〇リン、〇〇ピン、〇〇チンの他、
〇〇ト、〇〇タ(ダ)、〇〇テール等
で終わっているものが多いです。
語感としては「言い切った」感じでしょうか。

2つ目の分子標的薬は〇〇マブというものがほとんどです。
「ひつまぶし(ウナギの蒲焼を混ぜたごはん)みたいな名前ですね~」という方もいます。

3つ目の免疫チェックポイント阻害薬も〇〇マブの仲間ですね。
4つ目は、ホルモン療法剤ですが、こちらは語尾の特徴といえるものはないですね。

〇〇チン、〇〇ダの「言い切り系」薬は、殺細胞剤と怖い名前がついています。
がん細胞の分裂行程を破壊することが狙いです。
がん細胞が増えるためには、遺伝子をコピーして新たな二つの細胞に分配する作業が必要です。
これらの薬は、コピー中の間隙を狙い、コピー原本を破棄しまう薬、コピーをソートするところで止めてしまう薬などがあります。
分裂が盛んであるがん細胞は最も影響を受けるために「抗がん剤」と名付けられています。
がん細胞並みに分裂が盛んな正常細胞も巻き添えを食らってしまうのが難点です。
髪の毛が抜けたり、口内炎、腸炎等の副作用は、この薬が正常細胞の分裂も邪魔してしまうためです。

〇〇マブの「ひつまぶし系」薬は、増えるスイッチの作動をピンポイントでブロックします。
その一つは抗原に抗体が付着する免疫反応を利用した抗体製剤と言って、がん細胞表面に現れている特徴的なたんぱく質=増殖スイッチを標的にします。
たんぱく質が抗原で、この抗原に付着する抗体を開発したものです。
抗体が細胞膜にある増殖スイッチに付着することで、スイッチがブロックされ行程がとまる、新しい補給血管を作れなくなる、という作用です。
がん細胞表面の抗原が「どんどん増えろ~!」「早く補給のための血管を作れ~!」というスイッチになっていて、このスイッチをONさせない、邪魔をすることで、増殖をおさえるという狙いです。
殺細胞剤のような「殺し」戦術ではない分、副作用も緩和されます。
増殖をおさえながら、あとは免疫力での退治や兵糧攻めという狙いです。

 

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